第31話 RPG村
アミーこと
今日は3月の半ばを過ぎた土曜日で、春の気配というモノが山を
「アミー、
ヘロヘロで歩を進める
「イクちゃん、やっぱり……何か……準備のためにね……運動とか……した方が……良かったんじゃぁ、ないかな……」
アミーとしては、己の身体がここまで
丁度、女子大生である
「アミー、こういうのは出来るだけ早い方が良いのだ。
それから、そろそろRPG村が近い。
「アダァァァァァ!!!」
アミーの頭にブーメランが命中したのは、イクちゃんのその説明が終わった直後のことだ。
当たった瞬間に理由の方が判明したのは良いのだが、アミーの方は
「うわぁ……そこの人、大丈夫ですか? ヘルメットしてないの? よく見たら知らない人だし、オジさんここは初めて? どうしようかしら、もう……」
薄れ行く意識の中で、アミーがかろうじて見たのは、レザーパンツに革の胸当てをつけたチャパツの若い女の子だった。
「オジさん、気がついた? 私のことは分かる? タンコブしか出来てないけど、本当に大丈夫かな?」
「大丈夫だろうと思う。リノリノには世話になったのだ。ここでは食べ物の方が良いのであったな。レトルトの方が良いかな? 甘いのもあるぞ。この前は、
アミーが目を覚ますと、そこはログハウスの中であるようだった。周りを見ても木の壁と木の天井と木の床だ。
聞き取れた会話からすると、リノリノというのは先ほどの女の子であるらしい。10代の中ごろという感じにしか見えない。
そして意外なことに、イクちゃんはここでは姿を隠していなかった。さらには、アミーの勤め先の社長をまだアゴで使っているらしかった。
「あ、ソレ助かります。イクちゃんってマンマイっちゃんよね?
リノリノという少女は、適応力が高いらしいとアミーには見えた。
それと不思議なことに、この少女が『
「あー、どうやら助けてくれたんだね。俺の名前は
アミーは、起き上がって自己紹介することにした。30歳のいい歳の大人としてどうかと思ったが、若い女の子相手ならこれでいいかなという口調で話した。
「アミーさんでしょ? イクちゃんから聞いたの。私はリノリノ、ここだとそう呼ばれてる。ここは山の上にある開拓村なの。下の人たちはRPG村って呼んでるところよ」
リノリノは明るい感じで、自己紹介のついでにそう説明してくれた。相変わらずレザーパンツとシャツに革の胸当てという姿で、腰にはゴツいボウイナイフまでぶら下がっていた。
ここは日本の
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