観覧車

大垣

観覧車

雲は休日の全てを憂鬱にするために低く垂れ込めている。

その中をカラスが飛んでいる。

埠頭に停まったタンカー船は死んだように動かない。

風はなく、波はない。

観覧車がある。

ハンバーガーショップの頭の上を、

水色の大きな、観覧車が回っている。

とてもゆっくりで、まるで遠い宇宙に流れる時間のように遅い。

なんの感動も、なんの淋しさもなく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

観覧車 大垣 @ogaki999

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る