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そして、美亜と幸紘の遺灰は、美亜の希望通り近所の人達によって、2人の思い出が詰まった庭に撒(ま)かれた。


その後、誰も居なくなったあの家は売却せず、2人にとって大切な場所であるとして、近所の人達が管理しているそう。




「ママ、この家ステキだね。お花がいっぱい!」


6歳くらいの女の子が、お母さんと手を繋ぎ歩いていた。


「あぁ、この家ね、後藤田さんって言う仲良し夫婦が住んでいたんだって。明るくて優しいって、近所では有名だったみたい。」


「そうなんだね!この家、まるでお花屋さんみたい♪」


「そうね。花とか植物が好きで詳しかったみたい。それでお花屋さんで働いてたんだって。」


美亜がこの世を去り早数十年。今でもあの家は、沢山の美しい花たちに囲まれ、人々に幸せを与えている。そして時々、あの庭から後藤田夫婦の楽しそうな声が聞こえ、姿も目撃されているんだそう。


周りはそれを、"幽霊屋敷"ではなく"幸せな家"と呼んだ。


2人は幽霊となり、今も幸せにこの家に住んでいるのかもしれない。



END


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