第32話 竜虎相搏つ
少しの静寂を置いて、龍虎は再び激突した。
conqueror実行部隊、隊長 香炉勝彦。十三の大騎士団、隊長 バウル・クラウゼ。
お互い、小細工なしで真正面から切り合ってる。実力は、拮抗しているように見えたが、
それは違った。何故なら、戦闘狂香炉のナイフ捌きの速度が、増してきたからだ。
バウルは、防戦一方かと思われたが、それは違った。重量武器である、大剣をあり得ない速度で切り返して、カウンターを放ってるからである。
そして香炉は叫ぶ。
「お前、面白いな〜俺とまともに戦える奴は、久しぶりに見た。」
「確かに、私もここまで戦える奴は、久しぶりだ。敬意を表して、斬り倒してやろう。」
「望む所だ。」
そして、三度衝突する。今回の衝突は、思考を変え、真正面からの斬り合いは、霧がないと香炉は考え、あえて、カウンターが取りやすい様に、ナイフを突き出した。
そして案の定、洗練された大剣の唐竹割りが来た。香炉はそれを、分厚いナイフで、クロスガードで防御した。
「おっしゃーー」
思わず、雄叫びを上げる香炉。
大剣は、香炉のクロスガードによって防がれた。そこからの、攻撃は速かった。振り終わりの体勢である、バウルの脇腹を鎧ごと蹴り抜いた。
「ガッは。」
思わず声を上げる。それを無視し、大剣を振り上げ香炉の脇腹目掛けて、フルスイングした。
香炉は、それを屈んで軽々避けた。お返しとして、下から眼球を目掛けて、ナイフを突き上げた。
そのナイフは、眼球には当たらなかったが、頬をバッサリと切り裂いていた。
一旦、距離を取り体勢を建て直そうとしたが、そんな絶好のチャンスを香炉が見逃す訳がなく、超至近距離まで迫った。ここまで来たら、大剣など邪魔である。そして、道綱に教えて貰った正拳突きを、深々と溝落ちに放った。
だが、この2発を喰らってもバウルは起き上がった。しかし下っ端騎士達に「これ以上は、危険です!」と静止され帰って行った。
「チッ。帰りやがった。まぁ、また戦えるでしょう。」
そして、龍虎の戦いは終わった。
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