フランシザシオン・ドゥ・ケベック

松井造

#1 サンクスギビングは、『私たち』の文化ではない

ケベック州モントリオールに引っ越して、1年4か月が経ちました。

2回目の10月なのに、今まで全然気づかなかったこと。


それは、

「サンクスギビングはケベックの文化ではない」

ということ。


どぅええええ~!?

そうなのぉ~?


私は、今、ケベック州政府が施す

無料のフランス語コースを受けているのだけれど、

そのコースの先生(ケベック生まれケベック育ち)がそう言っていた。


通りで、お店であまりターキーを見かけないと思った・・・。


ちなみに、サンクスギビングは主に北米の文化ですが、

この先生曰く、

サンクスギビングはアングロフォンの行事だからとのこと。


アングロフォンとは、英語話者のこと。

カナダは、英語と仏語が公用語なのですが、

英語話者のことを anglophone(アングロフォン),

仏語話者のことを francophone (フランコフォン)と言います。


つまり、サンクスギビングは英語圏の文化なのであって

ケベック(仏語文化圏)のものではない、という認識。


このあたりが、同じカナダでも

全然違う文化を有しているよなー、と思わざるを得ない理由だったりする。


ちなみに、カナダでは

10月の第2月曜日がサンクスギビングです。

カナダは全般的にアメリカより寒いので

収穫の時期も1か月ほど早いから10月なんだろうなぁ、

と勝手に思っています。

(サンクスギビングはその年の収穫への感謝の意味もある)


アメリカでは、11月の第4木曜日がサンクスギビングで

翌日のブラックフライデーが商戦日。


オンタリオに住んでいた頃は、

10月にもなると、

店にホールターキー(七面鳥一羽まるまる)がたくさん売られていた。

小さめのものから、大きいものまで

冷凍のでんごい真ん丸した塊がごろごろ並んでいたのになぁ。


かく言う私も

オンタリオに住んでいた頃は

ホールターキー(確か7キロくらいのサイズ)を焼いたことがあります。

大変な作業だった・・・ 汗


ターキーは、アングロサクソンの家族にとっては

定番の祝日ディナー(クリスマスもターキー食べる)なので

ターキーディナープランナーというものが存在し

約2週間くらい前から買い出しなどの準備が始まり

1週間くらい前からターキーの解凍、

また、ターキーの中に詰めるスタッフィング(詰め物)用の下味になる

ブイヨンの準備、

3日前くらいから詰め物用のパンの乾燥作業など

まぁ、一から手作りするとなると結構な大仕事なのです。


今や、一から手作りする家庭は少ないだろうけども。

スタッフィングもクランベリーソースも

即席のものが売られているしね。


私はコロナの時に、サンクスギビングにターキーを焼きました。

有り余る時間があったからこそ、成しえた偉業・・・ 涙

詰め物も、詰め物用のブイヨンも、クランベリーソースも

全部手作りしたので、

その分、なんか丹精込めた感があって美味しかったYO!


脱線してしまいましたが・・・


ちなみに、一応、サンクスギビングはケベックでも祝日です。

仏語では、"Action de Grâceアクション・デ・グラース"と言います。

また、アングロフォンの文化であると同時に

信仰心のあつい家庭が祝う日だという認識もあるそうです。


こういうことを知るために

わざわざ20年住んだトロントを離れて

モントリオールに引っ越してきたわけだけれども

まだまだ知らないことがたくさんありそうだ。


C'est une chose pour bon à savoir. :)

Ben, je me demande si je vais cuisiner la dinde cette année …

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フランシザシオン・ドゥ・ケベック 松井造 @ma2ixD

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