第2話 突然、記憶が…
頭が痛い………。
手で触ると、包帯が巻かれているみたい。
どうやら、私はベッドに寝かされているようだ。
私………私は………誰?
「気が付きましたか?」
声のする方を向くと、看護師さんがいた。
「私は……誰ですか?ここは……どこですか?…………分からない………何も分からない………。」
考えれば考えるほど、パニックを起こしてしまう。
「記憶がないのですか?少しお待ち下さい。医者を呼んで来ます。」
看護師は、すぐに医者を連れてきた。
「あなたは階段から突き落とされて、怪我を負いました。頭の怪我自体は、ひどくありません。」
「………。」
私は、静かに医者の説明を聞く。
「あなたの名前は分かりますか?」
「分かりません。」
私は首を横に振る。
「ここはどこか分かりますか?」
「どこかの病院だということはわかります。でも……私の知っている病院ではありません。」
私が『病院』と言われて想像する施設とは違う。
一番イメージに近いのは、ファンタジーの小説などで出てくる病院のようだ。
……ファンタジーの小説?
これは……現実?……夢?
「ここはビガン国のお城の中にある病室です。」
「!?ビガン?お城??はっ!?」
その瞬間、大量の記憶が頭に流れ込んできた。
「頭が……頭が痛い……。」
私は我慢出来ないほどの頭痛で、そのまま再び意識を失った。
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