✳︎かけがえのないつながりと、別れのお話✳︎
瑞葉
いくつかの存在と「別れた」年、2022年でした。
アラフォーのわたしが「人生の分岐点」と認識している年があります。
2022年。コロナ禍が終わりかけていた年です。
その年は「オミクロン株」というコロナ変異種が騒がれていました。
そんな中、2022年1月に、お腹に新しい命を授かりました。
ラッキーハプニングというものです。
お子さんは授からない体質だと諦めて暮らしていたところに、急にやってきた新しい命です。
でも、あまりに大切にしすぎたのかな。
せっかくの命がなくなってしまわないかと不安でたまらなくて。オミクロン株の流行るなかでの妊娠が心に負担でもありましたよね。
妊娠して7週頃、婦人科の検診を受けた時、
前の検診までお腹にいた小さな小さなその子は、消えてしまっていました。
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医者さんの言葉は、「流産です。残念ですが」みたいな、ドラマでありがちなセリフではありませんでした。
診察してくださったのが女医さんで、大変優しい方でした。検診された時に、
「わかりますか? ありませんよ」と言われたのだったか。
赤ちゃんの存在を示す小さな袋が検診のモニターで映るはずなのに、その時、「なかった」のです。
この時、どちらかと言うと、わたしよりは女医さんの方がショッキングな表情をしていました。
わたしは「ああ。残念でしたね。消えてしまったなら仕方ありませんね」と、あえてライトに答えて、笑顔さえ浮かべていたような気がいたします。
内心は動揺が半端なく、お会計時にお札を出すことも、ろくにできませんでした。
手術などはせずに済んだのが不幸中の幸いだったのですけれどね。
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