第2話
この店舗は、常連さんが多い。
わたしが右も左もわからなかった頃から
今に至るまで
常連で通ってくださるお客さんもいる。
そのなかの1人に
スポーツ誌を定期購読している男性がいる。
入社して半年くらいだっただろうか。
〈あっ、AUTOSPORTSの人だ‼〉
と即座に商品を持ってきたことがあった。
きっと判別できたことが嬉しかったのだろう。
もう少し落ち着けばよかったと
わたしながら反省していた瞬間。
その男性は“ありがとう”と微笑み去っていった。
あれは見間違いだったのだろうか。
その姿にわたしの罪悪感は少し軽くなった。
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