第7話

まもるくんは顔が小さくて

帽子をかぶると隠れるほどだ。


そしてわたしの歩調に合わせてくれているのか 

以前の足の怪我の影響なのか、歩くペースがゆっくりで

時々リズムにのって首が動く。


前にレイトショーに誘ったのだが、断られてしまった。

花火大会では最後までいることなく"帰ろう"と言われた。

何かトラウマでもあるのか、夜が苦手でもあった。


ある日、ニャーニャー聞こえる声の方へ行くと

猫がブロック塀から降りられなくなっていた。


無事に着地した猫を見て「こわい。」と

葵くんは言っていた。


『あれ?猫ちゃん苦手?何かのアレルギー?』


「苦手っていうよりコワイんです。

猫見ると逃げたくなるんです。」


『小さい頃ひっかかれたとか?」


「僕、小さい頃のことは憶えてなくて...。」


『ごめんごめん!ちなみに猫の他に苦手なのいる?

わたしは鳥。なかでも鳩。』

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