第6話

『ねぇ、近くにたい焼きがあるんだけど行こうよ。

無性にあそこのたい焼きが食べたいんだ‼︎』


私はあずき。仁科くんはカスタード。


『ねぇ、たい焼きはどっちから食べる?』


「たくさん詰まってるからあたまかな。

なんかしあわせな気持ちになるんだぁ。

最後のほうは生地だけで物足りなくなっちゃうけど...」


『へぇ。好きなものは最後に残しておくってやつで

わたしはしっぽからかな。それじゃぁせっかくだし

今日はあたまからいただきまーす‼︎』


無言で2人はあたまからかぶりついた。


『本当だね。しあわせな気持ちになるかも。

これからこっちのスタイルで食べよーかな。

ねぇ、あずき食べる?』


半分にしたあずきのたい焼きを渡した。


『ねぇ、わたしは好きだよ。仁科くんのこと。

話してて楽しいし、なんか落ち着くし。』


「僕はさっき、森さんが好きだと言いました。

初めて会った時に、一目惚れしたんです。

たい焼きを食べた時のように

これからも幸せな気持ちになってもらいたい。

僕と付き合ってください。」


わたしのなかで言葉は決まっていた。


『よろしくおねがいします。』

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