第12話

「ごめん!今日用事があるから先帰るね。」

そう言いはなは帰って行った。


わたしは屋台のペンキ塗りを終え

パレットを洗っていた。


「芹澤ーー」

声がし振り向くと叶達がわたしに向かってきた。


「待てーーー」

そう言いわたしを追いかけてくる。


わたしは意味がわからず校内を逃げ回り

"たすけて"と心の中で叫んだ。


無我夢中でトイレの個室に鍵をかけて逃げた。

あっちも諦めたのか、足跡はなくなった。


安心してひと息ついたとき

冷たいものが頭に落ちてきた。

なんだろう?と思い上を見ると

隣の個室でバケツを持った叶の友達がいた。


「たくさん走って暑くなったでしょ〜涼しくなりな!」

そう言われた直後バケツが傾き

わたしはその水をかぶった。


『どうしてこんなことするの。わたしがなにしたの?』

我慢ができなく聞いた。


かな、コイツなんでかわかってないみたいよ〜

どーする?」

そう1人が言うと、もう1人が

「うざくない⁈頭くるんだけど。」


なんかこのままだと殺される気がした。

そして校庭めがけて全力で走った。


外階段の一歩を踏んだとき捕まった。

どっちにしろ、外には誰の姿もなかった。


「ふたりとも手押さえて‼︎あのさぁ、なんで逃げんの?

わたしらが悪いことしてるみたいじゃん。」


叶は、動けないわたしをいいことに

文化祭で使っていたペンキをわたしの顔につけてきた。


「おい、なにやってんだよ。」


「おっ‼︎近藤じゃん。なにやってんの⁈⁈」


「芹澤から離れろ。」


「はぁ〜遊んでやってんだからそんな言い方なくない?

近藤、あんたもやりたいか?」


「んなわけないだろ。」


「叶、センコー下にいる。逃げよ。」


「じゃあね〜楽しかったゎ。」


そう言い叶達は走って逃げて行った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る