第6話
昇降口で上履きを履き替え、二人で並んで校門を抜けると、はたは今日あった事を話してくれた。
奈近「なるほどね…席替えで隣の席になって、普通に話してた、と。」
夏穂『うん。小学校の頃から思ってたけどさ、やっぱり小広君って面白いよね!』
奈近「確かにヒロの話は面白いけど…」
少し考えてはたの顔を見る。
奈近「…あの時の事はもういいの?」
夏穂『あ…うん。』
はたも少し間を空けてそう答えるとニッコリと笑った。
夏穂『私も最初は気にして、ちょっとだけ関わらない方がいいのかなって思ってたんだけど…小広君は普通に話しかけてきてくれてるし、あれはもう昔の事だって割り切った上で話しかけてくれてるなら失礼じゃない?』
奈近「それは…まぁ、そうね。」
夏穂『だから、関わらないように変に意識するのはやめようと思って。』
そっか。
…でも、なんだろ。
はたはまだ自分でもちゃんと納得してないんじゃないの?
夏穂『あ、じゃあ私はこっちだから。』
奈近「…はた、今日うちに来ない?」
何となくはたの様子が気になって、そう声を掛けたけど…
夏穂『ううん、今日はやめとく。誘ってくれてありがとね。』
奈近「そっか…気にしないで。じゃあまた明日ね?」
いつものように笑顔でバイバイと手を振るはただけど、幼稚園の頃から一緒に居たんだもん。分かるよ…。
結局私は何も声を掛けられず、はたの姿を見送った。
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