第4話

入学式が終わって教室に入ると、小学校の友達が多くて、同じ習い事をしている友達を紹介したりしてすぐに仲良くなった。




私のクラスの先生は女のW先生と言って、見た目はスゴくカワイイけど、担当教科は体育、部活は剣道部というなかなか厳しいと評判の先生だった。




先生『皆さん、入学おめでとう!今日から2組の担任になったWです。今日は簡単な自己紹介と委員決め、席替えをしたら終わりです。ではまずー…』




え、席替え?何で??

入学式から席替えなんて…普通ないよね?




男子『先生、質問です!何故席替えするんですか?最初は出席番号順に並んでお互いに名前を覚えるところから始めるんじゃないんですか?』




同じ小学校だった伊瀬凍也君が挙手して質問すると、先生はニッコリと笑った。




先生『皆さんはこの近辺の3つの小学校から進学してきた人が大半だと思います。ですから、同じ小学校から進学した人もいれば、中には初対面の人もいるわけです。しかし、出席番号順だと見知った人と固まりがちで、人間関係が希薄になる可能性があります。なので敢えて席替えを行うことにしました。』




…何か難しい言葉が混ざってて良く分からなかったけど、要するに同じ人と話してるだけじゃなくて他の人とも仲良くしてほしいから席替えするよ~!って事?




結局誰も意見を言わなかったし、反対の人もいなかったから、席替えは実行されてしまった。




夏穂「えっと…、23、23っと…」




席替え後の席は真ん中の列の前から2番目で、黒板が見やすい所だった。

私は目が悪い訳じゃないけど、後ろの方の席は五月蝿いから、席は前の方が好き。


隣の席は誰かな~?と思って机に鞄を置いていると、一人の男子が話しかけてきた。




徹太『あれ?僕の隣って柄畑さん?』

夏穂「あ、小広君…。そうだよ。」

徹太『そっか、これから宜しくね。』

夏穂「うん、宜しく。」




こうして私の隣の席になったのは小学校の時に同じクラスになったことがある小広徹太君だった。

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