春の髄に君がいた

影山 みはつ

第1話  君の背中

エリナが「アヤネ。最近、何か良い事あったの?」と声を掛けた。

アヤネが「特に何も無いよ」とエリナの返事に答えた。

エリナが「はー、また太って来ちゃったな。運動しないと」と身体の周りを見てアヤネに話し掛けた。

アヤネが「私、最近、あそこに行っているよ。エアロビクス」とエリナの返事に答えた。

エリナが「私も行こうかな?エアロビクス」とアヤネに話し掛けられて一緒に行くことを決めた。

アヤネが「此処だよ?此処は、厳しい先生は居ないよ。楽しく軽やかに運動すればいいだけだよ」と汗を掻きながら、タオルで汗を拭いていた。

エリナが「ありがとう。1,2、1,2」とやり続けて、運動をしてタオルで汗を拭いて居ると、近所のおばさまから「ね?若いんだから、仕事をして居るんでしょう?」と声を掛けられた。

エリナは「え?そんな仕事なんてして居ないけど」と近所のおばさんに返事を返した。

近所のおばさんが「じゃ、学生さんかい?」とエリナに声を掛けた。

エリナが「はい、学生です」と近所のおばさんの返事に答えた。

近所のおばさん達が「そうかい?何だか大人びて居るから、学生じゃないのかなと思ったよ」と驚いていた。

エリナが「あはは。そうでもないですよ」と近所のおばさん達に微笑んでいた。

それから運動が終わり、アヤネが「ね?エリナってさ?ナンパされた事あるの?」と声を掛けられて、エリナが「へ?ナンパは一回、学校であって、その後は、学校の帰りとかにもあったな」と上辺を向いて答えた。

アヤネが「良いな。ナンパとか一回でもされてみたいわ」とエリナの返事に答えた。

エリナが「あら?サクラが綺麗」とヒラヒラと桜が散っている所に風が吹いていた。

そこには、エリナくらいの男子が、サクラのひらひらと舞う花びらと一緒になって立って居た。

アヤネが「あれ?エリナ?何処に行っちゃったんだろう?」とエリナの様子が見えなくなって、その男子が「そんなに急いで何処へ行くの?」とエリナを見ていた。

その男子の名は、「ノブユキ」という名で、エリナは「私は・・・」と言おうとした時に、

ノブユキが「エリナでしょう?そこに書いて有る」とエリナの胸元に指を差した。

エリナが「そうだよ。でも、何でこんな所に居たの?」と声を掛けた。

ノブユキが「それは、僕がサクラを好きだから」とエリナの返事に答えた。

サクラが散って行く中を風がフンワリと吹いていた。

アヤネがノブユキの帰って行く後ろ姿を見ながら、桜の花を姪でていた。



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