幼馴染に振られて魔法に目覚めたら実は周りの女性も魔法使いで変態だった(幼馴染も含めて)
ルド
第1話 ヒロインたちは〇〇しかいない話 前編
*第1話ですが、本編の主人公は登場しません。はい、物語の最初ですが、マジで出ません。もしかしたら第1話から移動するかも?
*時系列がズレていたので、この話は色々あった主人公が魔法学園に受験が決まった後の話になります。
*ズラした理由……なんとなく、先に女性を紹介したかったから!
「さぁ、↑の前置きも済んだところで早速本題に入りましょうか」*前置きではなく注意事項です。
最初に切り出したのは新学期から魔法学園の高等部一年となる(現在は中等部三年)代表の
バランスの取れたスレンダーなスタイルで、黒髪ロングの大和撫子ような見た目の彼女。初等部の頃から男子生徒に人気がありよく告白される程。
しかし、初等部、中等部と上がっていくにつれて、告白してくる男子の大半が何故かドMとなっており、そんな男子たちから陰で『ドS姫』『氷の姫様』『真っ黒ボンデージが似合う女王様』『自分に惚れている男子生徒の性癖を全てドMにした調教師』などと呼ばれているが、ここでそれを語っても無駄に長く仕方のないのでこの辺りで省略。
一応付け加えておくと得意な魔法は『属性魔法』という種類の『氷結系魔法』。
モンスター戦よりもお仕置きの際に非常に便利らしい。……次に移ろう。
「これより『第一回
「「「「うん、ちょっと待て(ください、なさい)」」」」
一年代表の彼女(ドS)の口からとんでもない発言が飛び出した。
瞬間、集まっている女性陣の脳裏に『鎖で縛られてこの女に尻を鞭で打たれている哀れな男の姿』が見えた気がしたので、一斉に止めました。
「あら、どうしたの?」
「と、冬夜の改造って、何を企んでるのよアンタは!」
可愛らしく小首を傾げる雪奈に対し、頬を引きつって尋ねるのは冬夜の幼馴染(スパンと振った)の
明るい茶髪で短めなポニテと活発そうな顔立ち。運動系なのか細いイメージのある雪奈比べると制服越しでも鍛えているのが分かる。
ちなみに体の一部分は雪奈を圧倒する程の存在感があり、時々雪奈の視線が鋭い刃のようにその部位を睨みつけていることもある。
得意な魔法は『身体強化魔法』と言うジャンルにある『獣化』という身体強化である。
強化魔法の中でも珍しい魔法とされるが、実はこの『獣化魔法』には大きな問題があって、それが……
「ハァ、ハァ、ハァ……い、一体どんな変態プレイな事を!?」
「興奮し過ぎて耳が出てるわよ? はぁー好きな異性の事になると反応しちゃう『犬の獣化』は本当に危ないわね」
頬を赤らめて息を荒くして犬耳生やした彼の幼馴染がそこにはいた。呆れた口調の雪奈を含めて残りの女性陣も若干引いていたが、彼女の魔法を知っているので、この反応も仕方ないことは理解している。
「ここに彼が居なくて良かったけど、よく今まで無事でいられたわね彼って。とっくの昔に貴女に食べられていると思ったわ」
「ちょっ、ちょっと興奮し過ぎただけよ! あと変なこと言うな! こっちはリアルに色々大変だったの!」
愛華が取得している獣化の種族は犬。自身が好意を寄せている人物、特に異性の場合だと無意識に忠誠心を抱くようになり、好意が強過ぎると理性のタガが外れやすくなってしまい酷いと文字通り
「相性が良過ぎるのも困りものね」
「ぐぅ、このスキルが原因で何度危ない目に遭ったか!」
「危ない目に遭いかけたのは彼の方でしょ。幼馴染が野獣化して襲いかかって来たら、きっとトラウマ級の初体験を経験することになるんじゃない?」
「――うぐっ!? だから今まで頑張ってきたって言ってるの! 主に理性的な部分で!」
スキルの影響もあって実は匂いフェチでもある彼女。魔法に目覚めた小学校の頃から何度も何度も危ない場面にあっていたりする。
その度にとある主人公が知らず知らずのうちに押し倒――される前に事情を知っている別の友人が何度も邪魔していたので、魔法バレや愛華のケダモノの爆発は何度も未然に防がれてきた。
ちなみに頑張って来たその友人と愛華はライバル同士だったりするが、その友人もまた色々アレな属性だったりするので――そのうち紹介します!
「いっそ告白された時に『こんな私(性獣)でも好きでいてくれる?』みたいに言えば良かったのに。犬耳と尻尾はこれが私の趣味なの! だからペットプレイは任せてって露出度高い獣コスで誤魔化せば」
「誰が性獣だぁー!? ていうかペットとか言えるかそんなこと! 魔法を隠す代償に色々大事なものを失うわ!!」
実は性獣こと野獣だった愛華。中2の頃にあった冬夜からの告白も実は泣く泣く……もの凄い断腸の思いで……内心血の涙を流しながら断ってたりしている。
魔法の存在も知らない彼と付き合って万が一性獣化して暴走したら、冗談抜きで冬夜を(性的に)食べてしまいそうなので、もの凄い葛藤が本人にはあったが、どうにか堪えて今に至る。
いや、至っていたのだが。
「初心者でも彼の実力なら高等部の受験も落ちることはないと思うから……実はもうバレるまで秒読み?」
「ア、アアアアアアア〜〜!」
首を傾げて告げる雪奈に頭抱えて唸る愛華。
今まではなんとか隠してきたが、とうとう彼まで魔法使いになってしまう。
もう魔法に関しては隠す必要がない上、『獣化』の方もバレるのも時間の問題で、つまり彼が襲われる未来も遠くないわけなのだが……
「いったいどうしたらいいのぉぉぉおおおお!?」
「まぁそうなっちゃう前に私のモノすれば何も心配の必要はないけどね。別に」
「おおおおおお―――ハァ?」
ピリッと二人の間で火花が散ったような気がした。
否、鋭利な刃のような冷気と鉤爪のような熱気が部屋の中で激突していた。
「なぁーにトンチンカンな発言してんのアンタ? このドS女王が、さっきも改造とか言ってたけどアタシの冬夜と何しようとか考えてんの?
「あら? おかしなことを口走っているのはそっちじゃない。彼に告白されたのにあっさり振ったという貴女が……この発情犬が氷漬けにしてあげようかしら?」
「ハァ?」
「あ?」
もう爆発寸前、二人の背後で氷の竜と炎の狼が威嚇している。まるで宿敵のように殺気と魔力を飛ばしあい今にも大バトルが始まりそうな雰囲気が―――
「「「いい加減話を進めようか(ませんか)?」」」
「「あ……はい」」
ゴリラ(ドラミング)、阿修羅(ニコニコ)、死神(鎌をチラチラ)が見えた。
さっきまで黙っていた面々から漏れ出す魔力によって、二人の威嚇のような魔力が押し潰される。
決して二人が魔法使いとして弱いのではないが、やはり数というべきか、同じクラスの力量の者たちに組まれると学園でも優秀な枠に入る彼女たちでもお手上げだったりする。
中には自分たちより明らかに格上の先輩たちもいる。
「まったく、話が逸れ過ぎだって気付け」
「ダメですよ。正式な『マジックバトル』以外で喧嘩しちゃ」
「「す、すみません……」」
と注意してくる二人の先輩は主人公の姉たちだったりする。
「む、やっぱり冬夜くんはお姉ちゃんが面倒見たいダメですね!」
「お願いだからアンタまで暴走しないで」
――が、紹介が面倒なので次回以降に紹介!
とその横でプンスカ怒っている中等部女子が一人。
「お兄ちゃんはわたしのなんですから! みんなして取らないでください!」
暴走してます。くもりなきまなこで。
威嚇しているようで全然怖くないお怒り顔に、雪奈と愛華の戦意が一気に落ちた。呆れたように愛華がため息を吐いて、視線を雪奈から後輩へ移した。
「はぁー、
「というか貴女のお兄さんは他にいるでしょ? あの『脱――「そんな人はいません。居たとするならまったくの赤の他人である変態露出魔男だけ。わたしのお兄ちゃんは冬夜お兄ちゃんだけです(光のない瞳)」
「あの『
「アレで強いから反則なのよ。ハァ、何も知らないからって冬夜と仲良いのよアイツ」
三人の脳裏(一人は拒絶気味だが)にとある男子の姿が浮かんだ。割とイケメンな。
と、同時に笑顔で上から脱ぎ出しそうになったので慌てて脳裏から消し去った。……本当に魔法とは恐ろしいモノだ。
◯作者コメント
無駄に長くなったので前編後編で半分にしました。
一応第一話扱いにしてますが、改めて読むとややこしいので余裕が出来たら別の第一話と入れ替えようと思います。
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