クラス転移で俺だけ転生~魔王側に転生とは聞いてないぞ~

消灯

第1話 プロローグ

 「ふわぁ…」


 あまりの眠さに、あくびが出る。

 俺は破場 殺利(はば さつり)、非常に後悔しております。授業がとてもつまらない。高校のレベルを落としすぎた。

 テロリストでも来ねーかな、と思いながら再びあくびをする。


 「ふわ、ぁ、あ?」


 するとあくびで上を向いた拍子に、天井に魔方陣が見えた。え、この学校あんなのあったけ?


 いや、なかった。

 なぜか天井だが、これは。


 これは、異世界転移だ!

 しかも、クラス転移!!! 


 「いやっh__________」


 さゆうで、しかいが、ずれて____________




こうして、俺はその短い生涯を終えた。







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 目を覚ますと、真っ白な空間にいた。いや、真っ黒?とにかく、一面同じ色。明かりはなかったが、なぜかそれが見えた。

 生産に関する工場でも、たまに一面真っ白と言うことはあったが、それとは訳が違う。こう、清潔とか、清楚とか、そういったもにではなく、このあまりにも徹底した偏りのない美しい塗り方には、神秘すら覚える。


 「良く来たのぅ?」


 後ろからしわがれた男の声がした。

 いきなりでかなり驚いたが、声はなぜかでない。というか、今気づいたが、俺浮いてる?真っ白(真っ黒かもしれない)すぎてわからなかったが、良く考えたら体重を感じない。

 爺さんのことをみる。なんというか、いかにもハゲジジイって感じで、腰は曲がっている。顔は、爺さんとして普通すぎて違和感がなく、それが気持ち悪いのに、でも印象には残らない。


 「混乱する気持ちも分かる。急にこんなところへつれてこられても、驚くだけよな」


 なんか話し始めた。


 「ぬ、あれ、さほど驚いておらぬか?」


 まあ、そこまでは。そもそも驚けるほど状況を理解してるわけじゃないし。


 「そ、そうか…では、自己紹介をしよう。ワシは神じゃ。おまえをここへつれてきたのはワシじゃ」


 ほお、神。言うじゃないか。だが俺はしゃべれない。この阿呆な爺さんを煽れないことが悔やまれる。

 

 「なぬぅっ!?阿呆な爺さんだと?!!それに、煽る?!!ワシは神じゃぞ!!不敬であろう!」


 うっわ、キレちゃった。ボケてきてるるのかな?

 とりあえず、神って本物?


 「そうじゃとも!」


 うん、確かに阿呆でボケてそうだけど、…、まあ、それはそうとして心読んでるっぽいし、信じてやるか。


 これはこれはぁ、神様!今までの無礼をお許しください!


 「敬いがたりん気がするが…、まあ良かろう」


 これでいいのかよ。ちょろすぎる気もするけど…。やっぱ認知症か?ひょっとして?

 で、なにか用ですか?


 「あ、そうじゃった!そのぉ、あれじゃ。言いにくいんじゃが、ワシの不注意と言うか、手違いと言うか…、それで、お主は、一度死んだんじゃ…」


 あー、なんかそんな気もしてきたな…たしか視界がずれて、赤いものが見え…おえぇ、思い出したら気持ち悪くなってきた…。

 いや、おまえのせいかよ!


 「おぅ、思ったより冷静で良かったわい」


 いや、全然冷静じゃないだろ、何が良かったわいだ。そもそもこっちは死んだんだぞ?まさかそれだけで澄まそうとは思わねぇだろうなぁ?


 「なっ、く…あ、あぁ。じゃから、お詫びとして、お主には、特別に祝福をやろう」


 俺の物言いに少し怒ったみたいだが、話を進めたかったみたいで、怒りを圧し殺していってきた。本当にキレ性だなぁ。

 でも、細かいことで怒るわりには、ちょろいとか言ったとき反応しなかったのはおかしいし、もしかしたらこういった伝えようとしていないことが常に解るわけではないのかな?試してみるか。

 

 祝福?(おいコラハゲ)


 「ああ。祝福は、お主らに分かりやすく言うとチート、というやつかの?元々は一人一個だが、お主には、特別に二つ目をやろう。ただ、悪いがお主の体は死んでしもうた故、転生と言う形でお主のクラスメートの元へ送ることになる」


 まじかよ!!念願の転生!!!

 何度トラックに引かれようと思ったことか!

 ていうか、この反応からするに、まじで全部聞こえてはいないっぽいな。


 「では、サラバじゃ」


 え、サラバって?!いや、ちょっ、まだ聞きたいことが_________







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 ーゲシッゲシッ


 ……?


 ……っいったッ?!


 「あ、やっとお目覚め?」


 見覚えのない美少女にに話しかけられる。

 くらい赤の綺麗な瞳に、真っ黒な髪、深紅のドレス。背はあまり高くなく、お嬢様と言った風貌ではあるが、鋭くそれでいて美しさを感じる目がその印象を打ち消している。


 てかコイツ蹴って起こしてきた?

 メスガキがよォ、わからせたくなっちゃうじゃないか。


 「いったいなぁ…。もっと優しい起こしかたとかなかったのぉ?」


 あれ?しゃべれる…てことはここが異世界か!

なんか真っ赤でまがまがしい感じがするけど、まあこんなもんだよね!明らかに廃墟って感じの建物に、四角い石にのったガーゴイルっぽいのが見えてとっても悪趣味だけど、それも気のせいだよね??

 

 「んな訳ないでしょう」

 ーべし

 

 「痛?!」


 「私はあのジジイの言う邪神、エンドラーヌよ」


 「あ、どうも、殺利です。てか邪神?そんなこと言われなかったけど…」


 「…物騒な名前ね…。いいのよ、惚けなくて?私はあなたにとってみかたなのだから」


 いや、惚けたわけじゃないのだが…。


 「……本当になにも聞かされてないみたいね…。なんやってんのかしら、あのじじい。

まあいいわ、私が説明してあげる」



 エンドラーヌによると、これから行く世界では人間と魔族が争っており、それぞれ創造神(じじいのこと、名前はないらしい)と、邪神エンドラーヌが作ったらしい。

 はじめはただの遊びだったが、だんだんヒートアップし、しまいにはガチの喧嘩になったぽい。

 いや、まじで、何してんだって話だよね。

 そして、そうやって獣人(なんと、尻尾と耳だけが獣というご都合主義!)やエルフ、魔法やスキル、精霊や魔物など、そういったファンタジーなものが誕生していったらしい。

 この召喚や転生も、そのいっかんだと言う。

 いやぁ、ほかにも転移者や転生者がいるってことでしょ?楽しみだなあ

 内容はこれで終わり。

 うっすい歴史だな、って思うだろ?

 俺も思ったわ。そもそも神様の癖に子供すぎだし。

 

 「なにか質問はあるかしら?」


 「それじゃあ、俺は創造神とエンドレーヌどっちの味方すればいいんだ?」


 「もちろん私よ。なんだか知らないけれど

あのジジイ、あれで私から隠れてあなたの処理を完遂できたと思っているらしいの。己のおろかさを自覚させてやろうかと思って」


 「うっわ、本当に阿呆だった件。やっぱり認知症であってたじゃないか」


 「ええ、気が合うわね。と言うわけで、あなたには私、邪神の使徒としてあちら側の召喚勇者の対処をしてもらうわ」


 邪神の使徒か。

 というか、召喚されたら勇者扱いされるのか…。

 性格悪くなってそうだな……。


 「ちなみにそれ、断ったら?」


 「ここで死ぬだけよ」


 恐ろしいことだ。

 しかし、案外楽しそうだな。

 邪神の使徒って言ったら、もっとブラックなものを想像してしまうが。

 まあでも、俺の望みはひとつだ。つまりどのみちこの質問の答え次第だから、どうでもいいんだが。


 「じゃあさ、ひとつ確認というか、質問があるんだ。俺はその答え次第で引き受けるかを決める」


 「…し、質問?……自分の命がかかってるって脅されている状況で、なかなかなかいい度胸ね。いいわ、言ってみなさい」


驚いたのか、エンドレーヌは少し吃りながら言う。


 「じゃあさ、その対処ってさ_____________________例えば、相手を壊したり、人には言えないようなことをしても、いいってこと?」


 ニヤリと本心からの笑みを浮かべた俺に対し、まさか質問というのがそんなこととは思わなかったのか、エンドレーヌは軽く目を見開き、驚愕を示す。しかし、一瞬で嗜虐的な笑みを浮かべて、言った。


 「あんた、いい趣味してるじゃない。魔族は人間よりかは残虐な傾向があるけど、あなた程いい表情ができるやつはいないわ。さて、答えは、もちろんイエスよ。私も、最近の争いには少し退屈していたの。どう?やる気になった?」


 「さっすがエンドレーヌ、分かってる~!もちろん、任せてよ!」




 そうして、しばらく転生後のことと、能力のことを少し話してから、俺は異世界へと旅だった。





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処女作です。なにか至らぬ点がありましたら、指摘していただけると嬉しいです。



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クラス転移で俺だけ転生~魔王側に転生とは聞いてないぞ~ 消灯 @mamedennkyu

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