第25話

皆んなの驚いている顔を見て、少し笑ってしまう。


周りの生徒たちも私の言葉に驚きを隠せずにいるようだった。


「……」


「ロイド様?」


驚いた表情で私を見るロイド様に遠慮気味に声をかける。


「…あ、あぁ。悪い…」


「また日を改めてから、ロイド様のお家に “婚約破棄” の手続きをしにお伺いさせて頂きますね」


「分かった」


「ロイド・ブラウン様…… 貴方様のことを心よりお慕い申しておりました。これからの生涯に幸福を… それではわたくしはこれで、失礼させて頂きます」


そう言って頭を下げた後、ロイド様に背中を向けて歩き始めた。

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