MOTHER〜母に贈る旅〜

@mikaben447

1日目 家族とは

大野 現 16歳(オオノ ゲン)

母は自分が4歳の頃に、突如として家から姿を消した。

16歳になった今年、父が他界した。死因は転落死だそう。父が会社から帰る直前

階段で足を滑らせそのまま帰らぬ人となった。自分の家族はもう居ない。

悲しいことかもしれないが、自分は父の死を知ったとき何も感じなかった。

なぜなら4歳の頃から母が居ない自分は、家族との別れに慣れていたからだ。

自分は16歳になった今年、家を出て旅をすることにした。

旅の目的は【母を探す旅】だった。

自分は母がまだ生きていると信じていた。

母を見つけ出しなぜ家を離れなければいけなかったのかを知るために。

自分は家を出てまず、地図を買うことにした。

地図を買うための資金なら生前、父からもらっていたお小遣いや遺産でなんとかなった。

現 「地図を一枚ください。」

おじさん 「あいよ。これで良いか?」

現 「はい。これ、お金」

おじさん 「おう。まいどあり。」

現 「うん。ありがとう」

おじさん 「ちょっと待て、お前さん。なんで地図なんかが欲しいんだ?お前さんのような奴が地図を買うのは珍しいからな。」

現 「自分が4歳の頃に突然居なくなった母を探しているんだ。」

おじさん 「そ、そうなのか。母について何か知ってることはあるのか?」

現 「父に一度、母について聴いたことがあって母の名前と姿は知ってる。」

おじさん 「そうか。頑張れよ。そうだ、このパン持ってけ」

現 「え、もらって良いのか?」

おじさん 「おう、旅に食べ物は必要だからな!頑張れよ!」

現 「ありがとう。行ってくるよ。またね。」

おじさん 「またな。」

父は母の情報を知っているらしいが自分には教えてくれなかった。

そして父が死ぬ一月前に渡された手紙と箱、これは母の大切な情報が入っているらしい。だが、箱は母に近い時だけ光ると聞いた。そして母に出会った時にだけ開けられるらしい。なんでこんな仕掛けを組んだのか全く理解できないが、とりあえずそのまま受け取ることにした。

そして、今旅をしているがそろそろ腹が減ってきた。

腹が減りすぎてお腹がくっつきそうだ。

地図屋のおじさんにもらったパンを食べることにした。中にはハムとサラダ、そして半熟卵の半分が入っていて食べ応えがあって美味しかった。

まぁそんなことはどうでも良いのだが、とりあえず地図にのってる【ガーテン・ボード】というところに向かうことにした。父によるとその地域に行くと【ドーベルカフェ】という店がありその店の店主が自分の母について何か知っていると言うのだ。

謎の男 おい、そこのガキ

現 ?

謎の男 おい、止まれ

現 ?

謎の男 お前だよ。そこのお前だ。

現 あ、自分か?

謎の男 お前しかいねぇだろうがっ!くそっ、腹立つやろうだな。

現 は?

謎の男 お前みたいな生意気な奴見ると……腹てってくんだよっ!!!!

(スタスタスタッッ)

現 え…

(バシッ)

謎の男 !?

? おい、ガキに手出すんじゃねえ。

謎の男 誰だテメェ

現 (え?)

? お前みたいなクズに名乗るような者じゃねえ…

謎の男 なんだとこらぁ?舐めてんのかっ!?

謎の男 !?…アァアアアアアアアアアアア…

? これで、懲りたか。とっとと帰れ。

謎の男 お…おう……(スタスタスタッ)

現 あ、あの…

アレン あ、大丈夫だったか?俺の名前は【アレン・ドーベル】。よろしくな。

現 ありがとう…君は命の恩人だよ……

アレン 命の恩人だなんて…ただ自分は君みたいな子供に手を出す大人が大嫌いだからね。

現 そうなんだ。あの、アレン・ドーベルさんって…【ドーベル・カフェ】って知ってますか?

アレン ん?知ってるよ。お父さんが店を切り盛りしてるんだ。なんで?

現 やっぱり!!実は自分が4歳の頃に家から居なくなった母についてドーベルカフェにいる店主に聞けば分かるってお父さんに言われて…

アレン そうか。君のお母さんについてか…まぁ、とりあえず一緒に行こう。



続く…




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