第233話

ノマのお兄さんの片側に恋人、その反対側にオレが、肩を抱かれながら歩く。


「あの………………肩……………………。」


オレが呟くと、


「ん?肩を抱くぐらい、何ともないだろ?ブラドにも、肩を抱かれてただろ?」


と、ノマのお兄さん。


「そ、そうだけど………………。あなたには恋人がいるのに、両手にって………………。」


オレが戸惑っていると、


「はははっ。マジメな子だな。」


と、ノマのお兄さんは笑い、


「私は何も気にならないわよ~?うふふ。」


と、女の人は微笑んだ。


そうして、大きな店に入った。


「両手に花なんて、羨ましいっすね~!」


店員の男の人が声をかけると、


「はははっ。この子は、ブラドの預かり者だよ。」


と、ノマのお兄さんが言う。


「ブラドの?」


「あぁ。ブラドが来たら、奥に通してくれ。」


「分かりました。」


と、店員の男の人が言うと、店の一番奥の部屋に通された。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る