第231話

「はははっ。リリス、面白い奴だな。俺にそんな口を聞く奴はいないぜ?」


ノマのお兄さんが笑う。


「何で?やっぱり本当は怖い人なの?」


オレが聞くと、


「クスクス。可愛い子。よっぽど、平和な所で育ったのかしら?」


と、女の人も笑った。


「ふふっ。ブラドが手を出すのも分かる気がするな。あいつ、こういう『純』な子が好きだからな。」


「でも、ボス。その女はフィリップの知り合いみたいです。」


入り口の眼鏡の男が言うと、


「フィリップの?」


と、ノマのお兄さんが聞き返す。


「はい。さっき、7時には城に連れてくるように、ブラドに話していました。」


ん?


何でフィリップ王子との会話を知ってるんだろ?


「へ~?リリス、フィリップの女なのか?」


ノマのお兄さんの言葉に、オレは慌てて首を振る。


「ち、違うよ!知り合いなだけ!こ、恋人は他に、ちゃんといるもん!」


「誰だ?」


「い、言えない……………………。」

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