第144話

また別の日。


「リースさん!」


「えっと……………………後でね。」


用件も聞かずに、逃げていく。


「完全に避けられてる。何でだよ………………。」


俺が、ぼやくと、


「ブラド、どうかしたか?」


と、コージーさんが聞いてきた。


「コージーさん。俺、リースさんに避けられてて………………俺、リースさんに何かしましたか?」


俺が聞くと、


「まぁ………………しばらく、そっとしてやってくれ。」


と、コージーさん。


「何故ですか?」


「リースからすると、気まずいんだよ。」



「例の件なら、リースさんには関係ないじゃないですか。」


「裏事情は俺とフィリップ様しか知らないからな………………。時間が経てば、いつも通りになると思うから、しばらくは我慢してくれ。」


困り顔の、コージーさん。


「……………………分かりました。」


俺は仕方なく、そう答えた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る