第25話

「しばらくの間、リースさんには兵士長と一緒に指導の手伝いをしてもらう。」


ざわざわざわざわ。


フィリップ王子の言葉に、兵士達がざわつく。


「何故ですか?」


兄のカインが、声を上げた。


「リースさんは、アーク国でも指導の手伝いをしていたそうだ。リースさんの指導によって、兵士達の士気も腕も上がったと聞いている。」


「……………………………………。」


フィリップ王子の説明に、オレを睨みつけるカイン。


「皆、分かったね?それでは、リースさん。よろしく頼むね。」


「うん!」


そうして、フィリップ王子はオレ達とコージーさんを置いて出ていった。


「リース。大丈夫か?できるか?」


コージーさんが心配そうに聞いてくる。


「任されたからには、きちんと責任を持ってやるよ!とりあえず、いつもの練習を見せて?」


「分かった。残りの時間は普段通りの稽古をする。」


そう言って、コージーさんは兵士達に指示を出す。


兵士達は木刀を持ち、二人一組で軽く打ち合う。


オレは、離れたところから、じ~っと皆を観察した。


ヒューイとファリスは、端に寄って全体を見守っていた。

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