第17話

「一緒の部屋じゃないと、イチャイチャ出来ないだろ?」


少し呆れ気味のヒューイ。


「えっ?え~~~~!そういう意味なの!?だって………………ここはお城だし……………………。」


恥ずかしくて、オレがモジモジ答えると、


「はぁ……………………。旅をしている時は、リースは男ということになっているので、3人別の部屋を借ります。」


と、再びため息混じりにヒューイが答えた。


「分かった。“一応”3つの部屋を用意させよう。」


そして、フィリップ王子は次の場所に移動する。


客室より少し広い部屋。


「ここは俺の部屋だよ。ヒューイ君とケンカでもしたら、いつでもおいで。」


と、本気とも冗談ともとれる顔のフィリップ王子。


「ありがとうございます。でも、そんなことはないので大丈夫です。」


と、少しムッとしたヒューイが答えた。


「ははっ。本当にからかいがあるね。ふふっ。」


「えっと…………………………。」


オレは困って下を向く。


「さぁ、食堂で軽くお茶でも飲もうか。」


そうして、フィリップ王子は何事もなかったかの様に、食堂に向かって歩き出す。

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