第10話

広場には、たくさんの人がいた。


「あっ!ヒューイ様~!」


「ヒューイ様よ~。」


ヒューイに気付いた人達が、周りに集まってくる。


「ヒューイ様!子供がけがをしてしまって、治して頂けませんか?」


2、3才くらいの女の子を抱っこした父親が、ヒューイの前にやって来た。


「頬の傷か?」


女の子をじっと見ながら、ヒューイが聞く。


「はい。数日前に熊の変異種が出て、何とか逃げたんですが、頬に傷が………………。」


「分かった。この傷なら、痕も残らないはずだ。抱っこしたまま、そこに座ってくれ。」


「はい。お願いします!」


父親が噴水の縁に腰掛けると、ヒューイは二人の前に膝まづいた。

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