第20話

セロが死んだ…………。


私は………………。


何も考えられない。


どれぐらいの時間が経ったのだろう。


セロの体が冷たくなっていくのを感じながらも、何もできなかった。


セロ………セロ………………。


セロとの約束………守れないよ………。


セロ………セロ……………。


………私もそっちに…………。


近くに置いてある剣に手を伸ばした時……。


コロン……。


髪留めが外れ、床に転がった。


簡単に外れる物ではない。


なんで………。


剣に伸ばしかけた手で、髪留めを拾い上げる。


すると、


『愛してるよ、マニュ。』


セロの声が聞こえた気がした。


す~っと涙が流れた。


「うぅ……うっ……うっ……セロ………。」


まるで、セロが私に生きろと言っているみたい……。


「うっ…うっ……セロ…………生きるのは……辛いよ………。」


セロが死んだのに…あいつらは…………。


許せない……。


絶対に、許せない……!


私がどうなろうと、あいつらだけは……!!


私は剣を握り締めると、病室を出た。

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