第20話
セロが死んだ…………。
私は………………。
何も考えられない。
どれぐらいの時間が経ったのだろう。
セロの体が冷たくなっていくのを感じながらも、何もできなかった。
セロ………セロ………………。
セロとの約束………守れないよ………。
セロ………セロ……………。
………私もそっちに…………。
近くに置いてある剣に手を伸ばした時……。
コロン……。
髪留めが外れ、床に転がった。
簡単に外れる物ではない。
なんで………。
剣に伸ばしかけた手で、髪留めを拾い上げる。
すると、
『愛してるよ、マニュ。』
セロの声が聞こえた気がした。
す~っと涙が流れた。
「うぅ……うっ……うっ……セロ………。」
まるで、セロが私に生きろと言っているみたい……。
「うっ…うっ……セロ…………生きるのは……辛いよ………。」
セロが死んだのに…あいつらは…………。
許せない……。
絶対に、許せない……!
私がどうなろうと、あいつらだけは……!!
私は剣を握り締めると、病室を出た。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます