第16話

私が意識を取り戻すと、病院のベッドに寝かされていた。


慌てて飛び起きると、周りを見回す。


「セロ!」


隣のベッドに寝かされたセロが目に入る。


まともに動かない体で立ち上がろうとして、ベッドから転げ落ちてしまう。


それでも、這ってセロのベッドにしがみ付く。


何とか体を起こしてセロを見ると……。


「そんな……あぁぁ~~~………。」


気がついたら、叫び声を上げていた。


目を閉じ、血の気のないセロ。


私の叫び声を聞いて、40才前後の女性医師が駆け寄ってきた。


「気がつきましたか?」


「セロは……セロは!」


「危険な状態です。もって……明日までです。」


「そんな……そんな……あぁぁ……。」


セロに触れると、暖かい。


生きてる……生きてるけど……あぁぁ……セロ……。


体に力が入らなくなり、床に崩れ落ちてしまう。


私の必死さに、医者の女性は顔を歪ませながら、気を失った後のことを説明してくれた。

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