「助かるわ〜。よろしくね」

「任せて下さい！」

「じゃあ早速仕込みからやって貰うわね」

明日香さんと美梨亜ちゃんは秒で仲良くなり、閉店する頃には連絡先を交換するまでになっていた。

「お疲れ様でした。また明日よろしくお願いします」

美梨亜ちゃんは湊君のお迎えに行くと先に帰ってしまった。

私も美憂のお迎えに行かないと。

「あ、待って詩由ちゃん」

明日香さんはエプロンを畳みながらパタパタと小走りで私の元まで来た。

「無理して行かなくてもいいからね」

「え？」

「会社に売りに行くの。理由はどうであれ、元々いた職場に行くのは私も気乗りしないもの」

…バレてる。

前の会社を退職した理由は言っていないから、余計に心配をかけてしまった。

「大丈夫です。案外気づかれないかも」

絶対そんなことはない。

同じ部署の社員や上司に会いませんようにと願いながら来週を迎えるしかない。

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