第48話

「本当に申し訳ありません。勝手ながら、事情は話せません」


「何だと?じゃあ無断欠勤扱いにする」


「はい、構いません」


「この野郎…生意気な!お前をもうクビにして……」


「退職させて下さい」


「……へ?」


何より、美憂の成長をそばで見てあげたい。


これから行事ごともたくさん増えていくだろう。


学校に通うようになれば授業参観があったり、休みの日にはお出かけしたり。


私は美憂のお姉ちゃんであり、父母の代わりだ。


確かな思いが今私の中にある。


「今抱えている業務は全て終わらせます。ご迷惑をお掛けして申し訳ございませんでした」


「いや、ちょっと待て」


課長の静止を振り切り、自分の席へと戻った。


とりあえず今日は一旦家に戻って、美憂のオムツを持っていかなきゃ。


そのあと、先延ばしになっていた部屋探しもしないと。

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