不快感を抱く昭和の風潮

白鷺(楓賢)

本編

昭和を舞台にしたドラマや映画は、いまだに多くの人に親しまれていますが、私はその中に描かれる風習や価値観に強い不快感を抱くことが多々あります。職場での厳しすぎる上下関係や、乱暴な言葉遣い、暴言やパワハラが当たり前のように描かれる場面を目にすると、どうしても違和感が拭えず、不快な思いに襲われます。


昭和の職場文化が残す不快感


特に、職場での厳しい上下関係や理不尽な要求が目立つ場面は、見ていて辛いものです。上司が部下に対して大声で叱責したり、ミスを許さない厳しい態度をとったりする様子は、昭和の企業文化を象徴しているようですが、現代の価値観からすると不適切であり、不快に感じます。今でも一部の職場ではそのような風潮が残っており、それが新たな世代にとって働きづらさの要因になっていると感じています。


このような場面に直面すると、私はどうしても昭和の価値観に強い拒否反応を示してしまいます。こうした厳しい文化が称賛されるような風潮には共感できませんし、むしろ過去の負の遺産だと感じています。


家庭の中での違和感


昭和時代を背景にした作品は、家庭の中でも無意識に目に入ることがあります。両親が何気なくテレビで昭和のドラマや映画を観ていると、そこに映し出される風景が不意に飛び込んできます。その瞬間、私は強い不快感を覚え、すぐにその場から離れたくなります。私の両親にとっては懐かしい風景であり、昔の思い出が詰まっているのでしょうが、私にはそれが理解できません。


両親が「昭和は良かった」と言うことがありますが、私はまったくそう感じません。むしろ、戦争に突き進んだ歴史や、社会全体に染み込んでいた差別や男尊女卑の価値観が、私には受け入れがたいものとして映ります。


差別や男尊女卑が当たり前の時代


昭和の時代には、性別や年齢による差別が平然と行われていました。特に、男尊女卑の風潮は顕著であり、女性が家庭や社会で受ける不当な扱いが「当たり前」とされていたのです。年功序列という仕組みもまた、個人の能力や努力ではなく、年齢や経験の長さだけで評価される風潮を生み出しました。


こうした価値観がまかり通っていた時代に対して、私はどうしても強い違和感を覚えます。現代では、少しずつですが性別や年齢による不当な扱いに対する反発が強まり、個人の権利や平等が重視されるようになってきました。しかし、昭和の時代を懐かしむ声の中には、その不快な側面を美化するかのような意見が存在します。


過去を引きずることへの危機感


さらに厄介なのは、昭和の風潮を今に持ち込もうとする動きがあることです。過去の厳しい職場文化や差別的な価値観が、現代にも残っている一部の社会や企業において、「それが正しい」とされているのは問題だと感じます。確かに、過去から学ぶことは大切ですが、私たちは不必要な苦しみを生む風習を受け入れる必要はありません。


過去の不快な風習が現在に引き継がれ、特に若い世代にまで影響を及ぼしていることに対して、私は危機感を覚えます。新しい価値観とともに進化していくべき社会が、過去の負の側面を美化し、繰り返そうとする姿勢は、今の時代にふさわしくないと強く感じています。


昭和の美化への反発


「昭和は良かった」という声を聞くたびに、私はその意見に対して反発心を抱きます。確かに、当時の時代背景や経済成長の恩恵を受けた世代にとっては、懐かしさや誇りがあるのかもしれません。しかし、それはすべての人にとっての「良い時代」だったわけではありません。むしろ、その裏で苦しんだ人々や、声を上げることのできなかった弱者の存在を忘れてはいけないのです。


私は、昭和時代の風潮を今に引き継ぐことには断固反対します。私たちは過去の不快な習慣から学び、それを反面教師として、より良い社会を築くべきだと考えています。昭和の美化に流されることなく、今の時代に即した新しい価値観を大切にし、未来へと進むことが重要だと信じています。


結びに


昭和の風潮が、今でも一部の社会や文化の中に残っていることに強い違和感を抱きながらも、私はその風潮が次第に薄れていくことを願っています。未来のために、過去の負の遺産を受け入れず、進化し続けることこそが私たちに求められているのではないでしょうか。昭和の良い面を見つめることは大事ですが、同時にその時代に潜んでいた不快な側面を忘れてはならないと思います。

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