第8話

『ひどく、迷っているようだな…此処ここへ来る、新たなタマシイを欲しがる者には迷いがない。なぜなら、早々に幸せを手に入れたいからだ…』


かみは、ゆっくりとした語り口で話を続けた。



『生きる者すべてには、幸せになる権利があるとする。それと同時に、まわりを幸せにする権利も発生する。』



かみ居場所へやは暗いが、今、薄ら笑いを浮かべたように見えた。



『だが…幸せとは何者か?…わからぬ内は、延々と繰り返す…それは、地獄を味わうのとあまり変わらぬのだ。』





ワタシノ向こう側まで見透かされている…

ワタシの鼓動は、静かに唸り出した。



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