第21話 美緒~私の好きなヒト③~
陽斗との関係を持続していた私は、2人目を妊娠してしまう。
検査薬で調べたその日…私は陽斗に自分の気持ちを伝えた。
崇斗と離婚して…陽斗と一緒にいたいと。2人の子供は陽斗の子供だと。
陽斗は優しく微笑んでくれた。そして言ってくれた。
「じゃあ、崇斗と別れて俺と再婚するか!本当はもっと早く、そうするべきだったよな」
その言葉に気持ちがスッと楽になる。
それをすぐに崇斗と両親に伝えようという事になった。
どんなに責められても良い。
絶縁されても…私と陽斗、そして子供達とで幸せになるって決めたから。
それに…崇斗にも幸せになって欲しい。
気が付いていたんだ。
崇斗が本当に愛していたのは…芽衣さんだけなんだって。
確信したのは…結婚式の時だったけど。
陽斗と実家に向かう車の中…。幸せな感情に満たされている中…目の前が光でいっぱいになる。
それは突然の出来事。
(私…死ぬかもしれない…)
瞬間的にそう思った。でも…それで良かった。今がとても幸せだから。
(ごめんね…優斗…。こんな酷いママで…)
私は私の好きなヒトと一緒の時に、人生が終わる瞬間が来たことで女として満たされたのだ。
頬に涙が伝う。
そして私の意識は永遠に失ったのだった。
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