第19話 美緒~私の好きなヒト①~

17歳高校3年生…私はアルバイト先で知り合った先輩に恋をした。


彼は大学2年生で19歳。爽やかで好青年とバイト先でも女子に人気だった。


私は普通の女子高生。真面目でも不真面目でもない平凡な女子。

特に可愛いわけでも、スタイルが良いわけでもない。


だから…正直、自分が崇斗と付き合えるなんて思ってもいなかった。

彼女がいないと知ってすぐ、ダメ元で告白。すんなりとOKをもらえて驚いた。


嬉しくて、舞い上がる私。


だけど…。


付き合って1ヶ月ぐらいの時、初めて崇斗の家に行った。内心、凄くドキドキだったのを憶えている。


まだデートを数回重ねたぐらいの関係でしかなかったけど…いまどき、キスとセックスが同時なんて珍しくもないと思ったし。もしかして…と、思って少しだけ期待していた。


だけど実際には彼の方は、そんな事少しも考えていなかった。

家に招かれたのは彼の母親が私に会ってみたいと言ったかららしい…。


彼は深くは考えていなかったみたいで、会いたいなら…別に隠すものでもないし…と、それくらいの感覚だったみたいだ。


だから、家に行った時には彼の母親と弟…そして幼なじみの女性がいた。


何で、幼なじみの女性も?と思ったけど、彼女はお隣の家らしく、彼の母親とも仲が良いらしくて誘われたらしい。


ただ、私、気が付いたんだ。

彼女…芽衣さんは…崇斗が好きなんだって。


そんな素振りを崇斗には見せないけど…。

崇斗が他を向いている時とか、視線が好きだと訴えている…そんな感じがした。


そう思うと、凄い優越感が芽生えた。だって私は崇斗の彼女だもの。



初めて崇斗と結ばれたのは高校を卒業してからだった。意外と遅かった気がする。

私的にはいつでも大丈夫だったのに。しかも、言いだしっぺは私からだったし。


いや…誘うのはいつも私の方からだった。彼は自分から私を求めてこなかったから。


私から誘わなかったら、欲求不満で彼から求めてくる?そう思って誘わずにいたら…すっかりレスになってしまった。


彼の中に私はいないのでは?と不安に思った。


実際…彼の中では私なんてチッポケだったんだと思う。心がここにいないと感じたから。



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