彼氏

天川裕司

彼氏

タイトル:彼氏


「おうわかったー」

「ごめんね、お願いね」

彼に貸してたDVDを、私の留守中に

私の部屋に持ってきて、とお願いしておいた。


今日はどうしても忙しい日で、

彼と会えるのは多分夜。

住んでいるのはアパートで、

彼も私の部屋の合鍵を持ってるから

こんなことは日常茶飯事によくやっていた。


いつも通りにそんな形でお願いし、

私は用事に出かけた。


(帰り)


「ふーっ、やっぱり遅くなっちゃったなぁ」

ようやく帰って来れたのは黄昏時。

昼間は「ちょっと一旦帰るわ」

とLINEに連絡をくれていた彼が

その帰り道、携帯のメールに連絡をくれた。


私の部屋にDVDを持ってきてくれた後、

そのまま部屋に居てもいいよ、って言っといたんだ。

でも何か用事ができたらしくて、

自分のアパートに一旦戻ると言ってきた彼。


(メール)

「もうすぐ行けると思うし、早く帰ってたらまぁちょっと待っててくれ」

今日、夜に私の部屋で会う約束をしていた。


ルンルン気分でアパート前まで帰ってきた時、

おばちゃん「あらー咲子ちゃん」

「あ、おばさん♪こんばんは〜」

お隣のおばちゃんとばったり会った。


おばちゃん「咲子ちゃ〜ん、あんなカッコ良い彼氏捕まえてぇ♪幸せモンね」

「あ、あははw」

偶然、昼間に私の部屋から出て帰った彼を

おばちゃん見てたみたい。


そして部屋に戻り、「は〜〜」とくつろぎながら

彼になんとなく連絡していた。

でも一向に返事は返らなかった。

「何か忙しくしてるのかな?」

とか思っていたら、

トイレの方からコトンと音が聞こえた。


「なんだろ」と思ってトイレに行こうとしたら

ドアが開いて、見知らぬ男が出てきた。

そのとき分かったけど、

多分彼の遺体は私の部屋のどこかにあったんだ。


動画はこちら(^^♪

https://www.youtube.com/watch?v=ar4Mm2fwN7E

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彼氏 天川裕司 @tenkawayuji

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