第4話

学校に入ったはいいものの…


「…ってか理事長室うちわかんないじゃん!……」


兄貴に聞いとけばよかった…。完璧に道に迷いました…。


「………」


「ねえ?こんなところで何してるの?」


「……へえっ?」


優しい笑顔で聞いてきた黒髪の男。でもこの人は本当に笑っていない。なんだか嫌だ。


「…なんか嫌だ。」


「へっ?」


「…なんで作り笑顔なんかしてんの?私それ嫌いだからやめてくれない?」


「………」


あっマズイ…どうしよう…やっちゃったよ…初対面の人なのに…。謝るしかない!謝るしかないな!


「あ…あの……」


「…ぶはっ!あはは!あはは! 君なかなかいいね!ねえ名前は?」


「?」


何を言ってるんだこの人は…


「…てか普通は名前を聞くときは、自分から名乗るもんでしょ?」


「………ぶは!あはは!もう~最高~!ますます気に入った。まあ俺の名前は遠山 慎二(とおやま しんじ)。高2。よろしくね♪」


「……立花 凛です。高1です。」


「ふ~ん、りんちゃんて言うんだ?可愛い名前だね。」


「はぁ~……どうも。」


「っていうか、りんちゃんは何でここにいるの?」


「あーーーーーーーーーーーーー!!!!!」


ヤバイ…すっかり忘れてた。どうしよう…早くいかないと…。

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