第210話

朋政先輩に外堀りから埋めるだのなんだの言ってたのはどこのどいつだ。



というか、二世帯住宅って。あったかハイムが待っているとは限らないんだよ六神。



ママとの通話を切って、一呼吸おけばまたソルティバターが口に入ってきた。



「さっさと栄養補給して。」


「栄養どころか砂糖の含有量半端ないから。脂質の少ないご飯食べようよ。」


「じゃあまず軽く3回いってからね。」


「……はい?」



チャラ男のように軽い発言をする六神が、私を押し倒す。



外では朝ちゅんがちゅんちゅんうるさく鳴いていて、もう朝ちゅん関係なくなっちゃってるから。



わたし、二世帯住宅が建つまで生きていられるのだろうか。






 

「六神の中のゆがみくん、ポテンシャル半端ない。」


「六神の糧は春風の愛情で、ゆがみの糧は春風の身体だから。」


「私の心も身体も六神のものって?」


「六神のお名前なんですか。」


「ゆがみ千都世です。」 



そんなあんたを大好きな私も、そこそこ“ゆがみ春風”なのかもしれない。



甘いばかりじゃ物足りない。そんな私たちのストーリー。









【fin】

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