第160話

ヒロインがね、恋愛相談をして、アドバイスをもらってね。そこから進展へと導いていくのが本来あるべきオフィスラブの親友のポジションだと私は思うのよ。



思うのに、




「なんで私がまゆゆの恋愛相談にのってたんだろ。」


「あら何それ、ぱるるがヒロインとでもいいたげな発言ね?おこがましいにも程があるけど、こちらの物資に免じて今の発言は聞かなかったことにいたしましょ。」


 

RainLADYレインレディ”と書かれたアルバムをまゆゆに進呈したぱるる。



まゆゆはこの“RainLADY”という男性アイドルグループの中の、韓国と日本のハーフが推しらしい。これは賄賂などではなく、先日私のミスによる諸問題を手伝っていただいたお礼の品だ。



最近発売されたばかりのアルバムらしく、私には特に興味がないのでグループ名くらいしか知らない。ただ今いるアイドルの中でも一番トップに輝いているということだけは分かる。




「で、つまり、ぱるるは私に恋愛相談をするってわけなの?」

 

「いや、事後報告をしとくべきかなって。」


「それこそ職場の戦友である私は事前に何一つ聞かされてないんだけど。今ここでふてくされても構わないかしら?」


「ふてくされるのは家に帰ってからにして下さいな戦友。」



今さらながらに私は、まゆゆに事の顛末を話した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る