3

第3話

 それから、一年が過ぎ、三月の卒業式の日



「お~い、里香。話があるんだけど、体育館の裏に来てくれよ」

 隆は、教室から出た。




「は~い、行く」

 里香は、ごそごそとしている。体育館の裏に着くと———。




「話って、何」

 里香が、聞くと――。隆は、深刻な顔をした。




「俺達って何だ?」

「友達以上、恋人未満じゃないのかな」

 里香は、答えた。




「じゃ、俺達、離れても生きていけるじゃないのか」

「そうね。そうしなければいけないのよ。私達、もう、一人一人の道を歩み始めたのよ。私と貴方は、違う道だわ」

 里香は、笑った。




「分かった。もう、俺行くよ。さよなら」

 隆は、歩き出した。




「待って、一つだけ言わせて。本当に、隆に逢えて良かった。ありがとう。そして、さよなら」

 里香は、手を振った。




 それから、何年か経ち、私達は、逢ってない。里香は生きていたら、

 きっと、いつかは逢えると思った。また、逢える日まで……




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