第12話

佐藤先生を訪ねて外来診察室の中を覗くと、

案の定処置でバタついている状態。


佐藤先生に近付き、城崎さんからの伝言を伝えると、メモの走り書きを渡された。


中を見れば、幾つかの薬の名前が書かれてあって、調合薬の相談みたいだった。



「悪いんだけど、それ城崎さんに届けてくれる?」



思わぬところで得た幸運。城崎さんに会える理由ができた事が素直に嬉しい。



「分かりました。城崎さんに届ければいいんですね」



「頼むね、」



そう言いながら、既に佐藤先生の目は処置を待つ患者さんへ向けられていた。


傍にいた看護師さんに会釈をして外来診察室を出た。


目指すは薬局。足取りが自然と軽くなる。

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