彼の好きな香り
第2話
「今日も頑張らなきゃ」
ロッカーの扉に付いている小さな鏡に映る自分を見て、気合いを声に出した。
白いブラウスに黒のチェックベスト。襟元に紺のフリルのリボンを留めて、黒のマーメイドスカートをはく。
ゆるく巻いた髪を一つに纏めたら、私の職場スタイルの完成だ。
市内の個人病院に医療事務として勤め始めて1年。ようやく仕事の流れを掴めてきたと思える今日この頃。
「朱乃(あけの)、」
声を掛けてきた人物に顔を向けると、同期の
松原 弥生(まつばら やよい)が意味深な顔付きで近づいて来た。
「おはよう、弥生」
「気が抜けるわ、そのゆるい表情」
元々の顔付きをゆるいと言われてしまえば、返す言葉がない。
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