第3話

そんな颯斗が、齢23にしてやっと彼女が出来たという。



颯斗の1番の親友だと自負する自分としては、諸手を挙げて喜んであげられる。



……そう思っていた。



そう思っていたから、自分がこんなにショックを受けていることが、本当に不思議で仕方ないんだ。



これは、嫉妬……ではないと思う。


多分、いや、きっとあれだよ。


大切にしていた宝物を、横から見も知らぬ誰かにとられて、釈然としない……そんなやつだ。


きっと。



誰だって長年大切にしてきたもの(物とは言わない)は、愛着がわくし、なくなれば寂しいものだもの。



そういうものだ。


……うん。

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