第4話

トモちんは走るのが苦手だから、リレーの時間が近づいてくると胃が痛いって言ってたな。


かわいそう。


でも、確かにバトンを渡されるまでの緊張感は本当に半端ないよ。


トモちんの気持ちよくわかる。


「ま、とにかくやるしかないか」


「だね、」


トモちんと二人白組テントに戻った。


係の仕事も自分の競技の前後は入ってないから、リレーまでテントで待機だ。


白組テントの前は応援団が大声をあげながら、旗を振ったりボンボン振ったりと盛り上がっている。


その中心で旗を振る男子に視線が止まる。


白組の旗を勢いよく振る応援団副団長の百田。


スラリとした体躯。隣のクラスのヤツで、学年で4、5番目に高い身長。


百田、野球部引退する前から髪伸ばし始めてたから、他の野球部の子達より髪が長いんだよね。


伸ばした髪と白いハチマキが風になびいて、ちょっとカッコよく見えたりする。


ヤバいなー。


坊主の時はカッコいいなんて思ったことなかったのに。

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