seven
第38話
「やっぱりおかしいでしょ?」
学校の屋上で、冷たい空気に身体をちぢこませながら私はブツブツ文句を言っていた。
「おかしくないよ、やっぱり思い出の場所はここだろ?」
ダッフルコートのポケットに両手を突っ込んだまま、空を見上げた成くん。
その空は灰色の雲が立ち込め、チラチラと白い粉みたいな雪を降らせ始めた。
「寒いよー」
「うん。たしかに寒いね」
そう言いながらちっとも寒そうに見えない成くんの背中にぴとっと頬をくっつける。
「やっぱりこのダッフルコート温かいよね」
頬だけじゃなく身体も密着させてみた。
やっぱりこの背中は温かい。
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