第25話

「あ~、実はさぁ……」



「ちょっ、こんなところで言わないでよ!」



小幡さんの口を、白川さんの細くて白い指が塞ぐ。



そして唇を尖らせ、皆から顔を背けた。



心なしか、白川さんの顔がさらに赤くなっているような。



「……ご、ごめん」



小幡さんが情けなさそうな顔で拗ねた白川さんの顔を覗き込んで謝っている。



「……なんなんだ、一体?」



御園生さんは訳が分からないと言う風に、二人を見て嘆息する。



「まぁまぁ、とりあえず場所移動しようよ。小幡くんどの辺だっけ?」



菅谷さんの言葉に、小幡さんも白川さんの手を引きながら、公園の奥を指差した。



「あっちに桜の木が密集しててさ、ほんと、圧巻だよ」

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