第20話
「……傷ついたなぁ、オレ」
う、
「こんなに大事に……大事にしてんのに」
何度となく繰り返されるため息が、なぜか痛くて。
息に刺されるッてどうなの?
「……御園生さん」
「ん?」
ガッチリと回りを二の腕で固められていて逃げられるはずもなく。
「ごめんなさい」
謝って許してもらうしかないかんだけど、
御園生さんの顔が果てしなく意地悪に見えるのに、
嫌な予感しかしない。
さて。
どうしよう。
「!」
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