第14話
口を開いたまま、言葉を失った御園生さんの表情。
……それは一瞬で。
視線を伏せ、私の肩を掴んだ後、自分と私の位置を入れかえた。
つまりは、私が壁を背に立たされてしまっていて……。
「舞夏は……別れたいの?」
そう囁いた御園生さんの表情は何故か少し意地悪く見えて。
戸惑う私を見下ろしている。
「御園生……さん?」
「舞夏が決めて。俺と別れるか別れないのか」
分からない……。
どうしてこんなこと言うの?
御園生さんは何を考えているの?
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