第3話
「ライス大盛りで」
私の目の前に立ち、いつものように同じ注文をする。
「はい」
小さく返事をして、重ねてあるお皿を取り、業務用のジャーのふたを開けてご飯を盛る。
そして、カレーを注ぐ係の、隣にいる花田さんにお皿を渡す。
「八木のライス特盛じゃね?」
不意に聞こえた声に、チラッと視線を向ける。
八木さんの同僚で同期の……確か、小幡(コバタ)さんという人だ。
「そっか?これでもまだ足りねんだけど」
カレーが盛られて、ライスは隠れて見えなくなっている。
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