第4話

部長の特権を最大限に使って、部活後も東条さんの時間を、他の部員達よりも、多く独占した。



ただそばにいるだけで、嬉しくて幸せだった。



「大分、揃うようになったね」



練習を始めて1ヶ月がたとうとしていた。



「そうですね、」



頷けば東条さんは嬉しそうに続きを紡ぐ。



「さすがは羽田先輩の自慢の生徒達だよね」



「……そうですね」



――――東条さんの嘘つき。



私には、『君の知らない人だよ』といったくせに。



羽田先生を見る目が甘いのは、私の勘違いじゃないでしょう?



試験を前に控えた忙しい時期だと聞いたのに、代理を引き受けたのは、



羽田先生の為でしょう?

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