第37話

「咲良、」




泣きじゃくる私に近付く影を見上げた。




「風馬ぁ……、」




呼んだ声に答えるように、風馬の手からはらはらと、舞い落ちる花弁。




まるで、桜色のベールを被せられたみたいに、




髪や、肩や、腕にふわりふわり落ちていく。













「幸せになれ、」







それは、お別れの言葉に等しく響いた。

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