第30話

「見たら、だめ?」




「だめだ」




即答だ。




意地悪。




口を尖らせた私に小さくため息をついた風馬。




「……読んでもいいから、」




え、!ほんと?




嬉しくて風馬に飛び付きそうになった。




「その代わり、すぐに忘れろよ?」




「忘れなきゃだめなの?」




「そうだ」




ぴしゃり、強く放たれた声音に、私は息をのんだ。

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