第29話

手紙を畳んで封筒に戻した。




そして風馬へ視線を向ける。




「風馬?」




風馬は封筒を握りつぶしていた。




「……読まないの?」




「読まなくても分かってる。何を書いたかちゃんとおぼえてるからな」




だとしても、握りつぶさなくてもいいのに。




大切な想い出だよ。

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